君の知らない物語(supercell)

もう走らない東海道


いつもどおりのある日の事
君は突然立ち上がり言った
「そうだ、京都、見に行こう」


「たまには良いこと言うんだね」
聖地巡礼って言って笑った
新幹線の改札を
バカみたいにはしゃいで歩いた
ICカードかざして切符
買わなくてもいいように


電光掲示板を見上げた
500系のぞみ来るようで


いつからだろう 君の事を
追いかける私がいた
どうかお願い
驚かないで聞いてよ
11月からの減便を


「あのギザギザがフクロウの羽」
君が指さす翼型パンタ
覚えて屋根を見る


やっと見つけた先頭車両
だけどどこだろう客用扉
運転台後ろデッキ無い


N700止まる隣のホーム
私はコンセント欲しくて


本当は東海からの引退を
どこかで分かっていた
世界記録に
届きはしない
二百七十キロじゃ
そう言い聞かせた


西日本こだま8両で
グリーン車無いようなふりをしてた
だけど
車両の痛みは増してく
ああそうか 古くなるって
こういう事なんだね


どうしたい? 言ってごらん
心の声がする
0系の隣がいい
終点は鉄博


金無かった
作れなかった
二度と工面しない
製造費用


走りだした日
今でも思い出せるよ
尖った顔も
長い顔も
大好きでした
おかしいよね
わかってたのに
東海道区間
のぞみだけが過密


峠越えて
米原付近で君が
指をさす
Win350


※久々の一曲まるまる替え歌です。